日々是精進

基本的に、ひとりごと。

メディア

せっかく上京するので、合わせてチケットを取ったコクーンにも行ってきましたよ。
大竹さんのお芝居を観るチャンスは、これまで何度かあったんですけど、いずれも
流れてしまい、今回が初めてでした。ギリシア悲劇のお話ということで、ちょっと
固い話なのかな?と思っていましたが、見づらいと感じることは存外少なくて
とにかく凄まじい大竹さんの演技に引き込まれているうちに終わっていた感じでした。
セットがすごかった。ステージに水が張ってあるんですよ。その中をジャブジャブと
歩き回る役者さんたち。余計に体力使って大変だなぁ、と思う。けど、その水が
メディアの孤独感を一層際立たせて効果的な感じがしました。


とにかく、彼女が天才と言われるのも無理はない、と思いました。
なんだろうな、たぶん、大竹しのぶさんも、自ら役柄を作りこんでいく、とかでは
なくて、自然と役に入っていってしまうタイプの方なんだろうと思いました。
わたしは、和ちゃんもそういう部類の役者さんだと思っているのね。
持って生まれた感性というか、そういうもので勝手に役になれてしまう人。
逆に、じっくりと自分の中で役をつくりあげていくタイプの役者さんもいて、
松本くんとかはそっちのタイプだと思っています。
どちらにしろ、ほんとうにすごいものを見せてもらった、という感じです。
メディアの怒りは多くの人に不幸をもたらしていくのですが、それでも自分は
生きていこうとする貪欲さ、力強さ。あの小さな体の中にどれだけのエネルギーが
眠っているのかしら?と心配になるくらいの迫真の演技でした。素晴らしかったです。